いよいよ放送が目前に迫った大河ドラマ「天地人」の特集第2弾!
話題の豪華出演者陣の役名がひと目でわかる人物相関図を掲載。戦国の名だたる武将たちをうならせた直江兼続の人物像や物語の序盤の展開など、「天地人」をより深く味わうための予備知識を網羅した企画です。お船役の常盤貴子さんの特別インタビューもお楽しみに。
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卓越した軍師として上杉家を守り抜き、越後の地、そして民への熱い思いに生涯をかけた直江兼続。仲間たちとの強い絆、信念を全うする真摯な姿は日本人の琴線に触れずにはいられません。第1回「五歳の家臣」は75分拡大版(1月5日配信予定)。華麗に魅せて、心にしみる大河ドラマ「天地人」。1年間、NHKオンデマンドでお楽しみください。
直江兼続には、多くの逸話が残されています。いわく──兼続を家臣にと所望した豊臣秀吉の申し出をあっさり断ってしまった、徳川家康からの詰問状に対して、臆することなく「直江状」と呼ばれる挑戦状を送り返す胆力の持ち主であった、独眼竜の伊達政宗を相手にしても、一歩も引かない武力にも優れた武将でもあった──と。
知力、胆力、武力に長けた武将が、戦のときには「愛」の一文字をかかげた兜をつけ、命をかけて戦いに挑んでいきました。兼続を支えていたものは何だったのでしょう。
直江兼続を演じる妻夫木聡さんは、兼続の心を誠実に受け止めたいと語っています。
「兼続にとっての“義”、正しき道というのは、たぶん、自分を信じることであり、支えてくれる者たちを信じることなんじゃないかな、と思います。そのまっすぐな心に応えるためにも、純粋に兼続と向き合いながら、取り組んでいきたいと思っています」
兼続の人間性に強く惹かれたという、脚本家の小松江里子さん。
「兼続が生きた時代は、下克上の乱世。天下を獲るために策略を重ね、人を欺き、のし上がっていこうとしていた、その時代に、一人、愛をかかげ、戦国を生き抜いた武将。そんな直江兼続の生き方そのものを、今までにない戦国武将として描いてみたいと強く思いました。兼続のかかげた『愛』とはどういうものだったのか、兼続の生きざまを多くの方々に共感をもって観ていただけるドラマになるように書き進めています」
内藤愼介チーフ・プロデューサーは、今だからこそ、日本人に見てほしいドラマだと言います。
「利益の追求が当然の原理とされ『勝ち組』『負け組』の格差が開く一方、そのひずみも問題となりつつあるのが現在です。直江兼続が生きた戦国時代も、まさにそんな時代でした。ある意味同じような空気を持つ時代だから、兼続の『利を捨て義を取る』生き方が、日本人の心に響くのだと思っています」
人を信じ、その心のままに尽くす──兼続の生きざまを通して描く「天地人」は、現代の日本人が忘れがちな心の大切さを見つめ直させてくれるドラマなのです。
直江兼続: | 妻夫木聡 | |
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上杉景勝: | 北村一輝 | |
お船(おせん): | 常盤貴子 | |
初音: | 長澤まさみ | |
樋口惣右衛門・兼続の父: | 高嶋政伸 | |
お藤・兼続の母: | 田中美佐子 | |
樋口与七・兼続の弟: | 小泉孝太郎 | |
上杉景虎・景勝の義弟: | 玉山鉄二 | |
華姫・景勝の妹: | 相武紗季 | |
菊姫・景勝の正室: | 比嘉愛未 | |
泉沢久秀・景勝の家臣: | 東幹久 | |
仙桃院・景勝の母: | 高島礼子 | |
上杉謙信: | 阿部寛 | |
石田三成: | 小栗旬 | |
淀・秀吉の側室: | 深田恭子 | |
真田幸村: | 城田優 | |
小早川秀秋: | 上地雄輔 | ほか |
第1回「五歳の家臣」
天正14年(1586年)大坂城。上杉家家臣の直江兼続(妻夫木聡)は、主君の景勝(北村一輝)とともに、豊臣秀吉(笹野高史)に謁見していた。兼続の有能さは諸国の武将たちに知れ渡っており、秀吉は兼続を自らの家臣にしようと呼び寄せたのだ。 兼続が優れた人物に育ったのは永禄7年(1564年)越後・上田庄で起きた事件がきっかけだった。同年7月坂戸城主・長尾政景(村田一道)が、上杉輝虎(後の謙信/阿部寛)の参謀・宇佐美定満(真木仁)と、野尻湖で溺死する。長尾家の家臣たちは、輝虎が仕組んだ暗殺と、すぐさま城に集まり戦の準備。混乱する場内に与六(後の兼続)の父・樋口惣右衛門(高嶋政伸)もいた。そこに突如輝虎が現れ、残された政景の妻・桃(高島礼子)と10歳の息子・喜平次(後の景勝/溝口琢矢)と対面する。桃は輝虎の姉である。その年の秋、輝虎は喜平次を狩に連れだし自らの養子にすると伝える。そして喜平次は坂戸にある寺・雲洞庵で、侍としての修業を始める。 一方、5歳の与六(加藤清史郎)は将来、喜平次の家臣になるため、親元から離れ、同じ雲洞庵での生活を始めるのであった。
第2回「泣き虫、与六」
永禄7年(1564年)冬、5歳の与六(後の兼続/加藤清史郎)は喜平次(後の景勝/溝口琢矢)とともに、越後上田庄の寺・雲洞庵で修業生活をしていた。 坂戸城では、輝虎(後の謙信/阿部寛)が姉・仙桃院(高島礼子)に喜平次は大将の器だと言い、さらに、与六は北天の王を守る北斗の七星だと、語り合うのだった。 そんな二人の思いを知らず、与六は生意気ゆえに、住職である北高全祝(加藤武)に叱られてばかりで友もいない。一方、喜平次は無口さゆえに、周囲の子どもたちと馴染めずにいた。 ある夜、与六はさみしさから実家を目指し雪の中、雲洞庵から抜け出す。気づいた喜平次は後を追う。何とか実家にたどり着いた与六だったが、母・お藤(田中美佐子)に追い返される。喜平次はそんな与六に「母上はお主を捨てたのでない。この喜平次にくだされたのだ。わしの側にいてくれ」と語りかける。この温かい言葉にむせび泣く与六。与六と喜平次の心が通った瞬間だった。 時は流れ、天正元年(1573年)、越後と信濃の国境近くの川中島の妻女山。14歳になった兼続(妻夫木聡)と同じく景勝(北村一輝)の家臣・泉沢久秀(東幹久)が武田の様子を探っていた。すると二人の前に武田軍の重臣・高坂弾正(大出俊)が姿を現す。上洛中であるはずの武田軍に不穏な動きがあると感じる兼続。 一方、天下統一を目指す織田信長(吉川晃司)は武田信玄を迎え撃つため、兵を進めていた。 天下の情勢は大きく変わろうとしていた。
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