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「BS世界のドキュメンタリー シリーズ金融危機」特集

「BS世界のドキュメンタリー」は、各国やNHK及び国内のプロダクションが海外を舞台に取材して制作した優れたドキュメンタリーをお送りしています。2月16日から21日まで“シリーズ金融危機”と題し、世界的な経済不況とその変化をとらえた6番組を放送。NHKオンデマンドでも翌17日から見逃し番組サービスで配信をします。

番組紹介

「100年に一度のクライシス」と言われる、アメリカを発信源とした未曾有の金融危機。

いま世界各国では株価の崩壊、資金の流動性低下、通貨の暴落、失業者増大など、軒並み経済指標が悪化し、世界的な経済不況の嵐が吹き荒れています。シリーズ「金融危機」ではクライシスの現場にカメラを持ち込み、その変化をとらえた番組を並べ、今後の世界経済の行方を占います。

「世界を震撼(しんかん)させた1か月 ~金融危機はこうして始まった~」(2月16日放送)
世界を震撼(しんかん)させた1か月
フランスの優れた報道番組制作会社CAPAの1本。危機の発端となった、米国リーマン・ブラザーズの破たんからの1か月を追いました。ほとんどの金融機関が取材を断る中、撮影に応じたヨーロッパの投資銀行はどう対応したのか、突如、解雇された人々の今後など、当時の状況が克明に伝わってきます。(2008年 フランス アルテ/CAPA制作)
「“ドルの時代”の黄昏(たそがれ)~金融危機の波紋~」(2月17日放送)
“ドルの時代”の黄昏(たそがれ)
フランスの公共教育チャンネルで放送されるもので、ドルの歴史的変遷を貴重な資料映像でたどりながら、今回の金融危機で、ドルの将来性を分析。ドルを金と交換できる唯一の国際通貨として定めたブレトンウッズ体制を経て、現在にいたる迄のドルの歴史をふり返った上で、国際投資家のジョージ・ソロス氏やヨーロッパ中央銀行の総裁などが今後のドルと他の通貨との力関係を分析していきます。(2008年 フランス アレグリア制作)
「クラッシュ1929~世界恐慌の教訓は生かされるのか~」(2月18日放送)
クラッシュ1929
NHKとイギリスの優れた制作会社との国際共同制作。BBCでも放送されます。そもそもこの制作会社は昨年春から、1929年に起きた世界大恐慌を掘り下げる番組を取材していたところへ、この度の金融危機が勃発。急きょ、取材の方向を転換し、米国のオバマ新政権が誕生した後、80年前の世界大恐慌と似ている現在の金融危機をどう乗り切ることができるかを検証するパートを付け加えて構成。わずか数日前に完成した番組です。こうご期待!(共同制作 Blakeway Productions)
「再訪・上海バスターミナル ~不況下の帰省ラッシュ~」(2月19日放送)
再訪・上海バスターミナル
中国上海。金融センターとして急成長を続けてきたが株価は3分の1、不動産価格は半値に急落。製造業ではリストラが続き、職を失った農民工の暴動も発生した。春節、1日5万人の帰省客が押し寄せる長距離バスターミナルも2年前に取材した時期とは大きく様変わりした。幼い子どもを連れて、途方にくれる父親。給料不払いで故郷に帰れない若者など、金融危機は家族や社会の絆を残酷に引き裂く。バスターミナルで繰り広げられる庶民の悲喜こもごもの人生ドラマを見つめる。
「異国で夢破れて ~出稼ぎポーランド人の苦悩~」(2月20日放送)
異国で夢破れて
イギリスのロンドン。高級食器のウェッジウッド、大手スーパーのウールワースが破綻し、イギリス経済も大打撃を受けている。特に、好景気をあてこんで、海を渡ってきた低賃金労働者が切り捨てられている。中でもポーランド人は職を失い、失意の帰国を迫られている。さらに、ポンド安の通貨暴落で蓄えも吹き飛ばしてしまう状態。翻弄される出稼ぎ労働者の姿を追う。
「差し押さえの町で ~サブプライムローンの悲鳴~」(2月21日放送)
差し押さえの町で
アメリカ、カリフォルニア州ストックトンは政府と地元自治体が勤労者のために開発した大規模住宅団地である。人口28万、住民の40%がヒスパニックというこの町が、全米で一躍有名となったのは住宅バブルの崩壊だった。全米平均のおよそ7倍に相当する20軒に1軒の住宅が銀行の差し押さえにあうというサブプライム・ショック、最大の被災地となった。警察官にガードされた債権者が家々を回り、住人を追い出して住宅に「For Sale」の札を貼っていく光景があちこちで見られる。一方、借金をかかえて、家も追い出された住民は、行き場もなく耐乏生活を強いられている。 “サブプライム・ショックの被災地”の現実を描く。