戦後の日本を導いた誇り高きリーダー・吉田茂を渡辺謙が熱演!
第5回(最終回)まで連続配信します。
67年前、日本は太平洋戦争に負け、すべてを失いました。
しかし、そこから見事に立ち直ります。
当時、焦土と化した日本の命運を一手に任されたのは、外相から総理大臣へと終戦直後に就任した吉田茂でした。
「戦争に負けて、外交に勝つ」という信念で立ち向かった男。
誇りを失うことなく日本を再生へと導いた吉田茂を描いた骨太なドラマを紹介します。

敗戦後、食糧危機や連合国からの内政干渉に直面していた吉田は、連合国最高司令官マッカーサーとどのような思いで対峙したのでしょうか。
ただ強いリーダーシップで突き進んだのではなく、そこにあった迷いや苦悩とは? 私的な一面も覗かせながら、ドラマは緊迫した状況を伝えつつ展開していきます。

作者の坂元裕二さんは、このドラマは「一つの敗戦国を舞台として繰り広げられる壮大なミステリーと人間模様」を基本に描いたと言っています。
また、吉田茂役の渡辺謙さんは、敗戦で焦土と化した日本を一昨昨年の震災後に見た光景と重ね合わせ、「戦後復興と同じように震災復興にこのドラマが少しでも役に立つのではないか」という思いを語っています。
60年以上も前の政治家を取り上げたドラマですが、そこには現代日本へのヒントも見つけられそうです。
作:坂元裕二 音楽:村松崇継

出演:
渡辺謙、デヴィッド・モース、松雪泰子、谷原章介、田中圭、鈴木杏、
永井大、初音映莉子、中村敦夫、金田明夫、篠井英介、吉田栄作、
大蔵千太郎、野村萬斎、加藤剛 他


土曜ドラマスペシャル「負けて、勝つ~戦後を創った男・吉田茂~」(全5回)

第1回

1945年8月、マッカーサー元帥(デヴィッド・モース)が厚木飛行場に降り立ち日本占領が始まった。 外相に就任した吉田茂(渡辺謙)は、プライドだけを武器にマッカーサーと対等に渡り合う。 一方で、元首相・近衛文麿(野村萬斎)は戦犯に。

第2回

マッカーサーは矢継ぎ早に改革を命じる。大量の閣僚が職を去り、憲法はGHQの手で改正されることに…。 戦犯裁判が近づく中、天皇を訴追から守るため吉田茂は動く。鳩山一郎(金田明夫)が総理就任直前に追放となり、吉田は総理に就任する。

第3回

内閣の人気は急落し、吉田は政権から追われる。しかし、側近の白洲次郎(谷原章介)は吉田の再登板に向けて密かな工作を始める。 マッカーサーの支持を取り付けることに成功した吉田は政権に復帰、いよいよ念願の独立回復へ狙いを定める。

第4回

講話・独立のために吉田茂は池田勇人(小市慢太郎)をアメリカに送る。交渉が始まる寸前に朝鮮戦争が勃発。マッカーサーは警察予備隊の 設置を要求する。その構想は服部卓四郎(吉田栄作)など旧帝国軍人の復活を含んでいたため、吉田は猛反発、再軍備を断固拒否する。

最終回

再軍備を求めるアメリカとの激しい交渉の末、軽武装、日米安保を土台とした講話路線が決定する。朝鮮戦争で独走したマッカーサーは更迭。 1951年9月8日、サンフランシスコ講和条約締結の日、たった一人で吉田は日米安保条約にサインする。

日本の復興をVFXで描く
敗戦。誰もが多くを失い、混沌とするなか、その外交手腕で日本を復興へと導いた政治家・吉田茂。
その姿を描くドラマ「負けて、勝つ」では、綿密なリサーチのもと、終戦直後の日本の情景がCGを用いてリアルに再現されました。
美術を担当したのは、NHKオンデマンドでも人気の高い「スペシャルドラマ 坂の上の雲」(2009〜11年放送)と同じチーム。
美術チーフ・プロデューサー山下恒彦が、「負けて、勝つ」の美術・CG制作現場を振り返り、その見どころをご紹介します。
イメージ画像1
マッカーサー、日本上陸!
このドラマにおけるCGの最大の見せ場は、なんといっても第1回(9月8日放送)、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーが厚木飛行場に降り立つシーンです。
現存する記録映像等をもとに、マッカーサー専用機バターン号と、厚木飛行場をCGで再現しました。ただ、すべてがCGではなく、役者さんが自然に演技できるよう、周辺のドアやタラップは実物やセットを使用しています。実物といっても本物のバターン号は使えませんので、代わりに用いたのがYS-11(日本戦後初の国産旅客機)。
ドアの大きさ含めて、イメージがバターン号となんとなく似ているんですよ。

でも…もしチャンスがあったら、映像中に出てくるドアの部分をよーく見てみてください。
実は、カットによって形がほんの少し変わります。実際のバターン号のドアは全体的に四角い感じなのですが、YS-11の扉はもう少し丸っこい印象。CGで描いたカットとYS-11を使ったカットの違いがおわかりいただけるかと思います。

ところで、このバターン号や他のCG制作においてもいえることですが、当時、日本側が撮影した写真等はすべて白黒。一方、アメリカ側の記録はカラーで残されています。表現力ある映像をつくり上げるためには色彩情報も大切なので、今回このアメリカ側の記録は大いに参考になりました。


GHQの正面玄関
ドラマにはGHQ(連合国軍総司令部)のエントランス部分も幾度か登場します。GHQが接収した、この第一生命館(東京・千代田区)の建物は今も残っているものの、撮影許可をとるのが難しく、こちらもCGが大活躍することになりました。

バターン号と同様、役者さん周辺はセットを製作し、それ以外はグリーンバックにして、あとからCGで映像をつくりこんでいきます。
この、セットとCGを組み合わせた「セット・エクステンション」という手法は、「坂の上の雲」でも多用した方法で、今回そのときのノウハウが見事に生きたといえます。

また、このようにCGと組み合わせる場合、セットは実寸でなければなりません(通常、セットは多少デフォルメして、小さめにつくるので)。現存する建築図面を基にCGを作成→実際の建物を測らせてもらい、そのサイズをもとにセットを製作→出来上がったセットを測ってCGの微調整を行い、確実に寸法を合わせる、という手順になりました。

イメージ画像2

建物入り口部分と柱のセットだけをつくり、撮影。
背景のグリーンはCG作業用のクロマキー幕。

イメージ画像3

撮影した映像に、CGで残りの建物部分を描いて完成。
街路樹も、幹は本物だが葉はCG。


戦後の街並みに、日本の復興を追う
がれきとなった街並が見渡すかぎり広がり、遠くには国会議事堂の姿も見えるこの風景。
アメリカ側は当時、写真・映像共に多くの記録を撮っていますが、そのカメラはこのGHQ屋上から見た東京の風景もとらえています。
このシーンは、それらの記録資料をもとに、すべてCGで描いたものです。

物語が進むにしたがい、焼け野原に少しずつ建物が建ち街がよみがえっていく様子を、定点観測のような形で描いていきます。
日本の復興を象徴する印象的な場面のひとつになればと思います。

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<取材協力>
NHKデザインセンター チーフ・プロデューサー 山下恒彦
こぼれ話
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「ザ・ロック」「グリーンマイル」「ダンサーインザダーク」「ハート・ロッカー」等、数々の映画出演で知られる実力派俳優デヴィッド・モースさん。多忙なスケジュールのなか来日し、1か月弱の滞在期間にまとめて撮影をこなしました。体質のこともあり、健康を気遣うモースさんはノンスモーカー。
マッカーサーといえばパイプをくゆらす姿が印象的ですが、このパイプを吸うシーンのために、スタッフはオーガニックの葉を探し回ったそうです!
渡辺謙さんとも昨年、映画「シャンハイ」ですでに共演ずみ。 吉田茂vs. マッカーサーという大物対決シーンの撮影は、スタッフ鳥肌モノの迫力だったとか。お楽しみに!
ドラマの登場人物やその時代に関する番組はこちら。

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